#408 アダルトチルドレン:境界線が分からない

アダルトチルドレンは自分と相手の安全な距離感が分からない

アダルトチルドレンに見受けられる境界線の曖昧さ。
そもそもこの言葉の意味がわからない人もいるかもしれません。
自分と大切な相手を守る意味でも境界線は大事です。
境界線が無いということは「自分が無い」とも言えるからです。
大切な関係だからこそ境界線がひけるようになると良いですね。


前回に引き続き今回もアダルトチルドレンのお話です。
今回はクライエントさんに許可をいただき
ある幼少期から思春期にかけてのお話を交えながら書きたいと思います。

探し物を見つけたのに、なぜ注意されたのか分からなかった。

境界線
これを持たせてもらえなかった子供は様々なところで
例えば集団生活や組織に所属したり
好きな人との関係性の中で理解をお互い得ることに困難を抱えます。

ある生徒の話しです。

作品展か何かの準備をしていて
班長から
職員室に行って先生から物差しを借りてくるように
と頼まれました。

ですが職員室に行きましたが担任は不在。
机の上にも物差しが見当たりません。

そこでその生徒はなんの躊躇もなく
担任の先生の机の引き出しを上から順に開けて行ったら一番下の引き出しに見つけました。

その様子を隣の机で見ていた教師は驚き、こう言いました。

「今何をしたの?」

「物差しを探しに来たのですが机の上に無いので引き出し開けたら見つかりました。」

「そう。
あのね、人のものを勝手に開けて見たりしてはいけないんだよ?」

「???はい。分かりました。」

この子は何故引き出しを開けた事を注意されたのか分かりませんでした。

意味わかりますでしょうか?

この子はそれくらい家族から自分の物についての
境界線を持たせてもらえていなかったという事です。

目に見えるものも見えないものも境界線がない。

これは目に見えるものについてですから分かりやすい。

だけど目に見えないものについても境界線を持たせてもらえていなかった。

一言断りを言うとか
その人の気持ちを確認するとか
許可をもらう事とか

全くなく
親が子供のことについて
子供が決める権限など与えられていませんでした。

(ここ、私ととてもよく似ています💦
これは後に生きていく上で人との関わりに大きな影響を与えていきます。)

なぜダメなのかが分からない。

子供の時は力のある物に従う事が当たり前。
自分が力を持てるようになったら
今度は自分の思うように周りは言うことを聞いて当たり前。
自分はその権限を与えられる立場になったのだから。

そう思っても不思議ではない。

例えば好きな人ができて付き合うようになったけど
相手が冷たくなっていき
やがて離れようとしだせば
自分の思うようにならないことの理解ができません。

あの時は優しかったではないか
好きだと言ってくれたではないか

そこにしがみつきます。

そして人の心は変化することも納得できない。
それは約束破りで裏切りだからね。

少なくとも自分の心は変わってない「つもり」だから。

だけど自分だって出会った頃とは違ってきていて
相手の自由を平気で奪ったり
相手の時間を平気で奪ったり
相手にも心があり気持ちがあり思いがあることを忘れ
相手は自分の思う通りになると

だって相手は私の恋人(夫・妻)なのだから。

境界線はお互いを守る意味でも大事なもの

カウンセリングに来られる前の数年前の自分を時々振り返り
お話しされます。

夫婦であっても、お互いのことは大事に思っていても
一人の時間が必要だったりするし
一人の時間が大切だと思う人もいるし
一人になりたい時もある。

だからと言って相手が自分のことを嫌いになったわけではない。

そう言われても全く頭に入らなかった。

どうして?
私たち夫婦なんだよ?
夫婦なのに一人になりたいって意味わかんない!

相手の気持ちを尊重するってどういうこと???でした。
時々テレビで悲しい事件を見ると過去では何も感じられなかった自分が

『今はあの人達の背景を思ったりすることがあるんです…
もちろん自分が思う背景じゃないとも思うけれど…』

そう言っておられたのが印象的でした。

そして最後に
『境界線ってお互いを守る意味でも大事なものだったんですね…』

「境界線が無い」ということは「自分が無い」ようなもの

相手と自分の間に境界線が引けないということは
どこまでが自分で
どこからが相手なのか

「分からない」ということです。
「見えていない(感じられていない)」ということです。

だから
相手の問題なのか
自分の問題なのかも
曖昧になりますし

自分の好みなのか
相手の好みなのかも
混乱してくる

相手は私で自分は相手?

そんなワケ無いんです。

だって体は別々ですからね。

でも自分の親達は私(自分)のことなのに
いつも周りが何も言わなくてもやってくれていた。

だから自分の意思とか無用だった。
考える必要もなかった。

こうして自分を見失っていくんだと思います。
(皆が皆じゃないですよ。)

赤ちゃんの時は泣く事しかできなかった。
だから親は守る為に、この子の為に、
親として一生懸命この子の身になって考え育ててきた。

でも、この子はちゃんと「泣く」という事で意思表示をしてきていたし
やがて自分の力で体を動かして自力で歩けるようになった。

一人で歩ける姿を見て親は喜んだと思うんだけど
心の自立は中々歓迎できなかったのかもしれませんね。

でもそれは厳しいようだけど親の問題。
子供には関係ないことです。


人との関わりの中で相手との境界線がうまく引けないみたい…

「引けない」ということが分かったということは大きな一歩です。

一歩ずつ前に進んで参りましょう。
共に伴走いたします。

私はあなたのその勇気を歓迎します。


人を慮っていたようで、それは押し付けだったかもしれない。
それが相手に不快感を与えていたのかもしれない。
境界線が見えてくると、押し付けではなく相手の気持ちを考えられるようになるかもしれません。

相手を尊重するとは?とか
相手の気持ちを大切にするとは?とか

それらはまずカウンセリングで自分の本当の気持ちを何の心配もなく話せる。
という安心で安全な場を経験していくことで見えてきます。

本日の音声配信 stand,fm

カウンセリングにクライエントさんが来られる時の目的は
それぞれだけど
カウンセラーは常にクライエントさんの「今」に注目し
心と思考の一致を大事にしております。

参考になれば幸いです。

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カウンセリングを受けようと行動を起こすには それ相当の勇気が必要だと思います。
その勇気、私は歓迎いたします。(^^)

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