親が子供に与えてきたつもりの真実と子供が親から受け取った真実は同じではありません。
子供時代に受け取った親からの傷によって
今度は大人になって結婚した時などに隠れていた問題(思い込みや執着)が浮上する。
ならば心の筋肉を緩めてあげたらいい。
それがお互いの為にもなる。
…かもしれない…
前回のblogの続きです。
だから結婚したら自分の隠れていた問題が浮上して夫婦関係にも影響する
自分が育った家とは正反対の
いつも笑顔で仲良しな夫婦や家族を理想としているのに
パートナーが自分の理想とする家族像の通りにしてくれない。
そう思ったことはないですか?
前回のblogでここまで書きました。
#432 親子関係:親は子供の為に子供は親の喜ぶ顔見たさから大切な物を見失う。
今日はその続きになります。
今回も私の妄想の中の話ですので全てのご夫婦に当てはまるわけではありません。
ですが、無傷な人は居ないとも私は思っております。
ですから前回同様、ガッツリとはいかずとも掠る程度に当てはまる方もおられると思います。
逆にガッツリ当てはまる方もおられるとも思います。
このblogの登場人物はほんの一例に過ぎません。
様々にありますから…
親から温もりも安心も与えられてこなかった子供は…
幼い頃、親が仕事から帰宅すると玄関まで行って必ず「おかえり」と言いに行く。
この子は良い子をしていたのではありません。
「おかえり」と言いに行くことで親の顔色を確認し
この後の時間がどういう空気になるのかを覚悟するためでした。
切っ掛けはある日学校から帰宅してリビングでテレビを見ている最中
母親が帰宅して部屋に入るなり怒りをぶつけてきたからです。
何を怒っているのかは分かりませんでしたが確実に分かったことは
その怒りはとても理不尽なものだということ。
腹が立ったその子は「学校から帰宅してちょっとくつろいでただけじゃないか!」
と言い返します。
すると「親は仕事を四六時中しているのにお前にくつろぐ暇なんかないやろ!」
意味不明な展開です。
けれど、もうこれ以上何かを言うことは無駄だと感じ
それ以来自宅にいる時一番安心できるのは独りでいる時だけになる。
親が帰ってきたと分かると慌てて「おかえり」と言いに行き
子供が親を注目しご機嫌をうかがい、その後の家での時間に細心の注意を払う。
親が不機嫌だと思ったらその怒りを鎮めるため
出来るだけ家事を手伝い何かできることはないかと声をかける。
この子の親は何もせず好きなことをしている子供を見ると腹を立てますので…
あの時のように
理不尽な感情をぶつけられないようにする為です。
これがこの子の真実です。
子供が親を注目する。
これはどういうことでしょうか?
子供が親を承認し続けているということです。
無視は存在の否定になりますから、親がそれを感じないように
仕事をして帰宅したら子供が労をねぎらい親に気を使っているということです。
もう一つ。
子供はまだ独りで生きていける力がありません。
だからそこがどんな家だろうとこの家にしがみつくほかないのです。
「見捨てられ不安」がここで植え付けられていきます。
親が子供に温かい注目を与え何も言わずともただ傍に居る。
それで子供に温もりと安心を与える。
この子は親からその温もりも安心も与えられることもなく
与えられてきたのは
不安と恐怖です。
この子のどこに「愛」を与えられている場面があるでしょうか?
「愛」を知らないまま大人になったこの子は
「結婚したら温かい家庭を築くんだ!」
と誓うのです。
けれども、誓いはしますが方法が分かりません。
テレビドラマで見るような光景は浮かびはしますが
それは出来上がった状態の家庭ですからそこに行きつくまでのプロセスを
この子は知らないのです。
憧れの風景への強い執着
愛を知らないプロセスは他にも様々にあります。
ですからこれはほんの一例。
そして結婚した時、相手にも何らかの傷や問題を抱えていたりした場合
それがぶつかり合う。
仮に健全な家庭で育った二人であっても、それぞれ育った背景が違いますから
我が家でしか通用しないルールや常識があってその違いに戸惑うこともあるでしょう。
ただ健全な家庭で育った者同士であれば、二人で新たに作っていけば良いと思えて
話し合いもスムーズかもしれません。
何故ならそこに執着がないからね。(こうでなければいけない!っていうね…)
けれど、この子のケースは育ってきた家庭があまりにも寒々としており
家族で笑うこともありはしましたが、それは常に親がご機嫌だった時だけです。
育ってきた家庭が陰であるほどその反動で
陽を求めます。
だからこの子が強く温かい家庭にあこがれを持つのは当然のことです。
けれども形だけ整えても心が一致していないことに気が付けていない。
結婚したら二人はこんな風景でありたい!という強いあこがれの執着です。
「親の思い子知らず。」「子の思い親知らず」でもあります。
この子の思いとは裏腹に親は一生懸命育ててきたと思っている。
食べることに不自由ないように
着る服もこの子が恥ずかしい思いをしないように
学校へも頑張って働いて稼いで塾にも行かせてきたし
習い事は他にもこの子にとってきっと糧になると思うものは習わせてきた。
送迎も頑張ったし、お弁当もどんなに疲れていても作って持たせた。
この子の為を思い仕事をめい一杯入れて…
毎日疲れていて心に余裕がない日もあったけれど
出来るだけ笑顔を絶やさないように接してきたつもり。
けれど、辛く当たってしまった日もそりゃあった。
それはきっとこの子も親の気持ちわかってくれているはず…
そう思って毎日頑張った。
これがこの子の親の真実なんですよね…
この子が感じ取っていたものと親の思いとは随分ズレがある。
だかれども、この子の親にも愛はある。
愛情もある。
誰だって余裕がなくなると神様じゃないんだから当たってしまうこともある。
それがいつも弱い相手ばかりに当たってきたとなると
当たられっぱなしの方は辛い。
だから愛があっても受け取れなくなるし
その愛も見えなくなってしまう。
親の思い子知らず。
っていうけれど
親だって
子の思い親知らずです。
っていうか、何故子供が親の気持ちを知ることが出来ようか?
子供はまだその年齢に達していないのに。
むしろ
親の方が子供時代を経験してきているのだから
子供の気持ちを見れず、子供に親の気持ち分かれよってないですやん💦
あ、けれどこれ、私も過去にやらかしてきたことです。
だから自分のケアが先なんです。心の筋肉を緩ませて…
自分の思い描く風景の中に登場人物が自分だけならまだいい。
けれど、そこには相手が何人かいた場合は難しい。
相手は自分の思う通りになんかならないからです。
ましてや子供が相手ならなおのことです。
けれど、自分は親の思う通りの子供になろうと努力してきた過去があります。
(大人になって親になり振り返ってみたらね。)
親の思う通りの子供になりきれなかった自分は棚上げして
自分はその努力をしてきたからこそ
自分の子供もそうあるべきだと無意識に思ってしまう。
なんでやらないんだ!
…みたいな感じでしょか。
けれど、思い出してください。
自分はそうやって頑張っていた時、自分の親はどうでしたか?
そして自分のその時の親に対する気持ちは、どう思い、どう感じていましたか?
それと同じような気持ちで自分の子供がやってくれて嬉しいですか?
そこに親への尊敬はあると思いますか?
これ、パートナーに対しても同じことが言えます。
自分の思い描く理想の家庭を作りたいのに相手が思う通りにしてくれない。
一緒に楽しくテレビを見たいのに
一緒に楽しくご飯を食べたいのに
一緒に楽しく休日過ごしたいのに
・自分がテレビを見ていても隣に座ってくれず家事をしている。
・ご飯を食べていても会話が弾まなくて全然楽しそうじゃない。
(仕事で接客業の方とか営業職のなかには
帰宅したら家族と話すことがもうしんどいって方もおられます。
私なんかは保育士でしたが仕事を終えて帰宅したら
近所の小さい子が遊びに来ていた時があって正直
「おっとぉ~💦」って思いましたもん。
もう仕事して帰宅したら何もしたくないんです。
あの仕事も結構体力と神経使いますので…)
・せっかくの休みなのに美容院や買い物や友達と遊びに行ってしまう。
結婚したのに独りぼっちで二人じゃない気がする。
自分の掲げた理想の家庭像からどんどん離れていく。
ここにあるのは
自分自身もその理想に縛られがんじがらめだということです
自分に自由を与えられていない。
そして
それは相手に対しても同じことが起きている。
だから相手が悪いのではなく、まず自分のケアを先にです。
自分のことをまず知りましょう。
相手の心や相手の事ばかり知ろうとせず
まず自分の心や自分のことを先に知ってあげましょう。
そしたら緩みます。
筋肉だって硬直してる状態で無理したら怪我するでしょう?
心の筋肉だって緩ませてあげないとね。
ゆるゆるになると心も体も力が抜けて呼吸も楽になって軽くなるんですよ。
そしたら自分も相手も自由でお互い尊重できるようになる。
自分達オリジナルの家庭を築けたらいいですね。
最後に…愛が無いのではありません。
自分には
「愛」が無い。
「愛」がよく分からない。
だけれども
「愛されたい」と渇望している。
その自覚はある?無い?
人は幼少期に得られなかったものを大人になって得ようとする。
本来与えられるべき相手から与えられれば良かったのですが
それは難しい場合もある。
なぜなら、その人も与えられてこなかったから与え方が分からない。
けれど、これは言えます。
与えられてこなかったとしても
自分の中に有ります。
あなたも、あなたの親も
与える術を知らず自分の本当の気持ちとは違う言葉や行動を見せてきたとしても
本当はそんなことしたくなかったはずです。
やり方が分からなかっただけです。
表現の仕方が分からなかっただけです。
それをケアを受けることで知っていけば良い。
自分の奥深くで眠っているものを目覚めさせたら良い。
エゴからの押し付けの愛情ではなく。
自分はちゃんと「愛」があることを知れば
心の筋肉が緩んでいくのと並行して
相手との会話も過ごし方も変わってくると私は思います。
本日の音声配信 stand,fm
カウンセリングにクライエントさんが来られる時の目的は
それぞれだけど
カウンセラーは常にクライエントさんの「今」に注目し
心と思考の一致を大事にしております。
参考になれば幸いです。
本日の音声配信stand,fm 音声で聴きたい方はこちらから…
#433 夫婦関係:心の筋肉をまず緩ませてあげましょう。
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