夫婦カウンセリングを受ける前に知っておいてほしいこと#469

自分の正しさを証明する場ではありません

今日は、温もりを求めてでの夫婦カウンセリングについて、
これまでのカウンセリングを振り返りながら、
改めて大切だと感じていることを書いてみたいと思います。

夫婦関係に悩んでいる時、最初は、

「自分は間違っていないよね?」
「先生から相手に言ってほしい」
「あの人に気づいてほしい」

という思いが入口になることもあると思います。

そのように感じること自体が、悪いわけではありません。

それだけ苦しかったのかもしれませんし、
誰かにわかってほしい思いを、ずっと抱えてこられたのかもしれません。

その思いがすぐに消えなくても大丈夫です。

けれど、温もりを求めてでの夫婦カウンセリングが
どのような時間なのかを、
まずは一度、この記事を通して読んでいただけたらと思います。


そのうえで、
「この形なら話してみたい」
「少し自分のことも見つめてみたい」
と思われた時には、カウンセリングをご検討ください。


夫婦カウンセリングは、とても繊細な場です。

話を聴いてもらえたこと。
否定されなかったこと。
安心して話せたこと。

その体験が、ときに違う意味で受け取られてしまうこともあります。

だからこそ、夫婦カウンセリングを受ける前に、
少し知っておいていただきたいことがあります。

夫婦カウンセリングでは、
「否定されなかった」ことが、
「自分の正しさを認めてもらえた」
という受け取り方につながることがあります。

もちろん、そう感じること自体が悪いわけではありません。

それだけ不安な気持ちを抱えていたのかもしれませんし、
これまでずっと、わかってもらえなかった思いがあったのかもしれません。

けれど、夫婦カウンセリングで大切にしているのは、
どちらが正しいか、
どちらが間違っているかを決めることではありません。

まずは、安心して話せること。
そして、その時お話しくださっている方の気持ちや背景に、
丁寧に耳を傾けること。

安心して話せる時間の中で、
自分が何に傷ついてきたのか。
何を守ろうとしてきたのか。
なぜ同じような反応を繰り返してしまうのか。

そうしたことが、少しずつ見えてくることがあります。

「話を聞いてもらえた」と「自分が正しい」は同じではありません

カウンセリングの場で、
話を否定されずに聞いてもらえると、
とても安心することがあります。

その安心感は、とても大切なものです。

けれど、
「安心して話せたこと」と、
「自分の正しさが証明されたこと」は、
少し違います。


カウンセリングの場では、
良いクライエントであろうとしなくても大丈夫です。


カウンセラーの思いを汲もうとしたり、
きれいに話そうとしたり、
正しい答えを探そうとしなくても大丈夫です。

怒りがあるなら怒りのまま。
悲しみがあるなら悲しみのまま。
混乱しているなら、混乱しているまま。

まずは、そのままの自分で話せること。
その安心の中で、少しずつ見えてくるものがある。

私自身の経験も含めて、そう感じています。

正しい、間違っている、というところだけで見てしまうと、
本当はその奥にあるはずの悲しみや不安、
傷つきや恐れが、見えにくくなってしまうことがあります。

夫婦カウンセリングは、
どちらかの正しさを証明するための場ではなく、
安心して話せる中で、
自分自身やふたりの関係の中で何が起きているのかを、
少しずつ見ていく時間だと考えています。

温もりを求めての夫婦カウンセリングについて

現在、温もりを求めての夫婦カウンセリングでは、
基本的に、お二人が同席して話し合いを進める形はとっておりません。

初回に、お二人そろって少しお話を伺うことはあります。

けれど、その後は基本的に、
それぞれがお一人ずつカウンセリングを受けていただく形を大切にしています。

それは、パートナーのいる前では言いにくいこと、
話しにくいことがあるだろうと、私は思うからです。

お一人ずつお話を伺う中で、
その方が何に傷つき、何を守ろうとしてきたのか。
どのような不安や怒り、悲しみを抱えてこられたのか。
そして、夫婦の間でどのような関係のパターンが起きているのかを、
少しずつ一緒に見ていきます。

ただ、その中で、
「話を丁寧に聴いてもらえた」ことが、
「カウンセラーは自分の味方をしてくれた」
「自分の正しさを認めてもらえた」
という受け取り方につながってしまうことがあります。

けれど、カウンセラーが丁寧にお話を伺うことは、
どちらか一方の正しさを認めることとは違います。


夫婦カウンセリングは、
どちらかの味方になって、相手を変えるための場ではありません。


それぞれが安心して話せる時間の中で、
自分自身の内側にある思いや傷、
夫婦の間で繰り返されている関係のパターンに気づいていくための時間だと、
私は考えています。

カウンセラーの言葉が、違う意味で受け取られることもあります

カウンセリングの中で交わされた言葉が、
ご自宅に戻られたあと、
それぞれの受け取り方の中で、
違う意味へ変化していくこともあります。

たとえば、
「藤田さんもそう言っていた」
「やっぱり私の方が正しいということだ」
「だから相手が変わるべきだ」
というように、カウンセリングの中での言葉が、
夫婦間のやり取りの中で使われてしまうこともあるかもしれません。

けれど、繰り返しますが、夫婦カウンセリングは、
相手を論破するための場ではありません。

相手を責める材料を集める場でもありません。

誰が悪いのか。
どちらが正しいのか。

そこだけを決めようとすると、
ふたりの間で本当に起きていることが、
さらに見えにくくなってしまうことがあります。

現在の夫婦カウンセリングで大切にしていること

現在、温もりを求めての夫婦カウンセリングでは、
「必ず相手の気持ちを正します」
「必ず夫婦を再構築させます」
「必ず離婚を回避させます」
といったことはお伝えしておりません。

夫婦カウンセリングは、
どちらか一方を正しいと決める場ではなく、
相手を変えるための時間でもありません。

それぞれの中にある思い込みや信念。
心の傷から繰り返してきたパターン。
愛着の問題や、生い立ちの中で身につけてきた反応。

そうしたものを一緒に見ながら、
今ふたりの間で何が起きているのかを、
少しずつ知っていく時間だと考えています。

それぞれが抱えているものは違っていて当然です。

ご自身でも気づきにくいほど、
いくつもの思いや傷や防衛が複雑に重なり合い、
絡み合っていることもあります。

だからこそ、
「どうしてわかってくれないの?」
「なんでそんな言い方になるの?」
「なぜ同じことでぶつかってしまうの?」
ということが、夫婦の間で起こりやすくなるのだと思います。

そしてそれは、親も違う、環境も違う二人が夫婦になり、
一緒に暮らし始めたら、
多くのご夫婦が経験するプロセスだと私は思います。

そして、ここで起こりやすいのが、
カウンセリングを受けることで、
パートナーの気持ちを知ろうとすることです。

けれど、人の気持ちは、どれだけ近い関係であっても、
本当のところはその人にしかわからないものだと私は思っています。


だからこそ、カウンセリングでは、
「相手はどう思っているのか」
「相手はなぜそうしたのか」
を知ろうとすることだけではなく、
まずは自分自身のことを話していくことが大切になります。

自分は何を感じているのか。
何に傷ついてきたのか。
何をわかってほしかったのか。
何を守ろうとしてきたのか。

そこを見つめていく中で、
新たな気づきに出会うことがあるのだと思います。

生い立ちの中で身につけてきた守り方

それぞれが、生い立ちやこれまでの経験の中で、
身につけてきた反応や守り方があります。

それは、誰かを困らせるために身につけたものではなく、
その時の自分が傷つかないように、
自分を守るために必要だったものかもしれません。

けれど、その時は必要だった心の守り方が、
今の夫婦関係の中では、
すれ違いや衝突につながってしまうことがあります。

自分は、どんな経験を重ねて今の自分になってきたのか。
なぜ、この言葉に強く反応してしまうのか。
なぜ、わかってほしいほど責める言い方になってしまうのか。
なぜ、近づきたいのに距離を取ってしまうのか。
なぜ、いつもあの表情を見ると不安が襲って来るのか。
なぜ、けんかの後、自分はいつもこの行動をとってしまうのか。

そうしたことを一緒に見ていく中で、
心の奥底で、隠れるように痛みを抱えたまま、
うずくまっていたもう一人の自分の存在に
気がつくことがあるかもしれません。

その自分は、
ずっと責められるのを待っていたのではなく、
本当は、あなた自身に気づいてもらえることを
待っていたのかもしれません。

すぐに手放したり、解放されたりするものばかりではありません。

長い時間をかけて身につけてきたものだからこそ、
簡単ではないかもしれません。

けれど、
「自分はどうしてこう感じるのか」
「自分は何を守ろうとしてきたのか」
「ふたりの間で何が繰り返されているのか」

そこに少しずつ気づいていくことは、
これからの関係や、自分自身の未来を、
少し明るく照らしていく一助になるのではないかと思っています。

それぞれが自分のパターンに気づいていくことは、
無理やり相手を変えようとすることとは少し違います。

少しずつ自分の内側に気づき、
相手との間で繰り返してきたことが見えてくる中で、
ふたりの関係性が、以前とは違う形へ育っていくことがあります。

それは、急に変わるものではないかもしれません。

けれど、お互いを責め合う関係から、
自分を知っていくことで、
少しずつ理解し合おうとする関係へ向かっていけるといいなと思っています。

もちろん、相手のことを100%理解することは、
誰にとっても難しいことです。

だからこそ、理解しきれない部分があったとしても、
「自分のパートナーは、そう感じる人なんだね」
「そういう反応が出てくる背景があるのかもしれないね」
と、少し距離をとって見つめられるようになることがあります。

それは、自分自身のことも同じです。

自分のことをパートナーにすべて理解してもらえなかったとしても、
「うちのパートナーは、そうなんだね」
と受け止めてもらえるようになると、
関係性は少し楽になるのではないかと私は思うのです。

そしてそれは、
自分自身についてカウンセリングで話していく中で、
少しずつ育まれていくものなのかもしれません。

カウンセリングの目的は何か

夫婦カウンセリングでは、
表面的な関係を整えることが必要になる場合もあります。

けれど、それだけを目的にしてしまうと、
もしかしたら、どちらか一方だけが苦しい思いを抱え続けることになるかもしれません。

もちろん、それぞれのご夫婦に事情があります。

ご本人が納得したうえで、その形を選ばれるのであれば、
その選択を否定するものではありません。

ただ、大切なのは、
カウンセリングの目的がどこにあるのか、
ということだと思っています。

相手の心を正すことなのか。
相手を自分の思う形に変えることなのか。
夫婦を続けることだけを目的にするのか。
離婚を避けることだけを目的にするのか。

それとも、
自分が何を感じ、何を守ろうとしてきたのか。
相手との間で何が起きているのか。
これからどのような関係を大切にしていきたいのか。

そこを一緒に見つめていくことなのか。

温もりを求めてでの夫婦カウンセリングは、
誰が悪いのかを決める場ではありません。
どちらが正しいのかを証明する場でもありません。

相手を変えるための時間ではなく、
自分が何を感じ、何を守ろうとしてきたのか。
そして、ふたりの間で何が起きているのかを、
少しずつ見つめていく時間です。

だからこそ、安心して話せることと同時に、
「自分の正しさを証明する場ではない」
という理解も大切になります。

その先に、
お互いを尊重できる関係を大切にしていける道が見えてくることを、
私は大事にしたいと思っています。


執筆:家族関係の心理カウンセラー 藤田侑杏恵
stand.fm配信 #469


夫婦関係の中で、
自分の気持ちがわからなくなったり、
相手にどう伝えたらよいのかわからなくなったりすることがあります。

カウンセリングでは、どちらが正しいかを決めるのではなく、
関係の中で何が起きているのか、
自分は本当は何を感じているのかを、少しずつ整理していきます。

奈良県生駒市のカウンセリングルーム「温もりを求めて」では、
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カウンセラーは常にクライエントさんの「今」に注目し
心と思考の一致を大事にしております。

参考になれば幸いです。

※音声配信は脱線しながらブログを読み上げて語っておりますが
ブログ記事は後日加筆修正されることがあります。


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