傷ついた時ほど安心安全な場所が必要になる。
境界線というものは、さまざまな場面で大切です。
自分の気持ちを知ってもらいたい。
分かってもらいたい。
そういう気持ちは、誰もが大なり小なり持っているのではないでしょうか。
ですが、誰かの気持ちを本当に理解することは簡単なことではありません。
想像することはできても、100%相手の気持ちをそのまんま感じることは難しいものです。
そして、(自分と似たような体験をしているからといって)
その想像が当たっているかというと
まぁ、だいたい当たっていないんですよ。
悲しい時。
苦しい時。
辛い時。
腹が立つ時。
怒りが抑えられない時。
私たちは誰かに聞いてほしくなることがあります。
それはとても自然なことです。
ですが、だからといって、
それらの感情をどこでぶちまけても良いというわけではありません。
私は心理カウンセリングの中でもよく、
誰に話すか。
その人は黙って聴いてくれる人かどうか。
つまり
「安心安全な場所で話してくださいね」
とお伝えしています。
なぜなら、人は傷ついている時ほど、自分を守るための環境が必要だからです。
例えば、大切な存在を亡くした方の悲しみには、グリーフケアや遺族会のような場があります。
同じような痛みを抱えた人たちが集まり、安心して語り合える場所です。
それは悲しみを否定するためではなく、悲しみを安全に扱うためです。
私たちは悲しい時も、苦しい時も、安心できる場所を求めます。
それは弱いからではありません。
むしろ、とても傷ついている時ほど、自分を守るための環境が必要になります。
例えば、着替えをする時。
皆さんは人通りの多い道路の真ん中で着替えたりしないですよね?
家の中や更衣室など、安心できる場所を選びます。
それは恥ずかしいからではなく、自分を守るためです。
心も同じだと私は思うのです。
グリーフにも境界線は必要
例えば喪失のグリーフで言えば、
「何を出してもいい」
ということではありません。
・自分が安全でいられること
・受け止める側にも限界があること
・お互いの境界線が守られていること
これらも含めて、とても大切なことです。
だからこそ、SNSで投稿する時にも、このことを知っておくことは大切だと思います。
もちろん、悲しみの真っ只中にいる時は冷静な判断が難しいこともあるでしょう。
それでも本来は、
・信頼できる人に話す
・限定コミュニティで共有する
・カウンセリングを利用する
・同じ経験をした人たちのクローズドな場に参加する
といった選択肢もありますからね。
そういう場所を選択できると良いですね。
SNSで感情を発信したくなる時。
そこには、
「この現実を誰かに分かってほしい」
「一人では抱えきれない」
「消えてしまいそうで怖い」
「大切な存在を忘れられたくない」
そんな気持ちがあるのかもしれません。
だから私は、その気持ちは大切なその人のものであり、それを悪いことだとは思いません。
むしろ、そんな時は悲嘆の中で
境界線の感覚が弱くなっている状態に近いのではないかと思うのです。
ですが、それと
「公共空間に何を置いていいか」
ということは
別問題です。
悲しみは尊重されるべきものです。
けれど、境界線まで失われてしまうと、周囲にも本人にも危うさが生まれることがあります。
SNSはガラス張りの広場
SNSでの「私のフィールド」は、自宅のリビングではありません。
ガラス張りの広場のような場所です。
裏アカウントであったとしても、完全に閉じられた空間ではありません。
だからこそ、
何を語るかだけではなく、
どこで語るかも大切なのだと思います。
境界線は、人を拒絶するためのものではありません。
自分を守り、相手も守るためのものです。
現実の人間関係でも。
SNSの世界でも。
大事なことなので、もう一度繰り返します。
SNSは自宅のリビングではありません。
ガラス張りの広場です。
だからこそ、傷ついた時ほど安心安全な場所を選ぶこと。
それもまた、自分自身を大切にすることなのだと思います。
執筆:家族関係の心理カウンセラー 藤田侑杏恵
stand.fm配信 #465
このような思いで、日々カウンセリングを行っています。
プロフィールについては、こちらにまとめています。
→ プロフィールはこちら
本日の音声配信 stand,fm
カウンセリングにクライエントさんが来られる時の目的は
それぞれだけど
カウンセラーは常にクライエントさんの「今」に注目し
心と思考の一致を大事にしております。
参考になれば幸いです。
今回はかなりいつも以上に脱線しながらの配信となりました。
※音声配信は脱線しながらブログを読み上げて語っておりますが
ブログ記事は後日加筆修正されることがあります。



コメント